■ Coloring ■

 

 

 

「……シャワー、借りていいか?」

 スネークに抱きすくめられ、長い長い口付けを交わした後で、俺はドキドキしながらそう切り出した。

 流れ的には、普通、この後アレ……だよな。でもローズの所から飛び出してここ数日、風呂に入ってないし、それでなくても昨夜はびしょ濡れのまま寝入ってしまって、その上に毛布やら何やらで布団蒸し状態(いや、冷えないようにって配慮だろうけど)にされていたし。自分ではかなり体臭の薄い方だとは思っているが、それでもかなり蒸れて臭い……かも。

 それにやっぱり「心の準備」って奴も、しておきたい。

 何せ、男相手に同意の上で、ってのは初めてだし、しかもどっちかというと、こっちの方がプッシュしちゃってるわけだし。

「ああ。タオルとか石鹸は適当に……いや、ちょっと待て」

 名残惜しげに俺の髪を撫でていたスネークが、突然慌てた様子で立ち上がる。

「何?」

「2分で戻る。ちょっと待ってろ」

 そう言い残すと、あっという間に出て行ってしまった。一体どうしたってんだろう?

 仕方なく俺はベッドに腰掛けたまま、サイドボードに置きっぱなしの新聞を手に取った。でも、あんな経験のあとでは、「新聞」や「マスコミ」なんてちっともあてに出来ないから、読んでも全然頭に入らない。もともと、文章読むの苦手だし(でも「シャドーモセスの真実」だけは自分で買って暗記するくらい読んだけど)。

ふぅ、と溜息をついてテレビでも点けようかとした時、スネークが帰ってきた。腕に大きな紙袋を抱えて。

「これを使え」

 紙袋の中身は、シャンプー、リンス、ソープ、大小のタオルに、歯磨き、歯ブラシ(何故か髭剃りは無い)。特にシャンプーとリンスは何だか高そうなラベルがついたものだ。

「わざわざ俺の分、買いに行って来たのか?」

「ああ。予備なんか置いてないからな」

「そんなの、アンタのを貸してくれるだけでいいのに」

 どうせ普段から使ってたのは軍の宿舎から(勝手に)持ち帰ってきた安物ばかりだ。男臭いのもボロボロなのも慣れている。俺は物に関しては「とりあえず使えればいいや」な人間なのだ。

「じゃ、アンタがこっちのサラの分使ってくれ。俺は今出てる分でいい」

 いきなり押しかけてきて、新品を買ってもらって使うというのも気が引ける。俺がスネークの買ってきたものをテーブルに置いたままバスルームに行こうとすると、スネークが俺の手にシャンプーとリンスをがっちりと握らせた。しかも物凄く真剣な顔で。

「なら、頭洗うときだけは、絶対にこっちを使え。いいな?」

「? どうして?」

「俺の分には染料が入ってるんだ」

 スネークが実は元々金髪だったなんてその時は知らなかった俺は、おそるおそる、納得の行く解釈を口にした。

「……って、まさか…………白髪染めとか?」

「っ、潜入用に染めとるんだ、馬鹿者ォ~!」

 

 

 

はい、こんなワケで「初めて」がノビノビになっちゃってたわけですね。「白髪染め?」なんて言われた日にゃあ、流石のソリッドなチン○もへにょへにょってモンです。でも「急激な老化」とか言われてたので、もしかしたらマジで白髪染め必要かも(^^;)

雷電の髪は個人的には褐色の方が好き(なのでもっぱら無限ヅラ着用)なんですが。色っぽいのは褐色だと思うけど、ぽよぽよ可愛いのはプラチナゴールドかな。スネークは自分がバサバサの汚いブロンド(My設定)なので、雷電のサラサラのプラチナがお気に入りです。

でも、不精ヒゲも暗褐色なのはなんでだろ~? わざわざ不精ヒゲも染めてるのか? でもわざわざ染めてるんなら、それは無精ヒゲではなく、不精「風」ヒゲであって、つまりはファッションなのか? となると「下」も染めちゃってたりするのか? いやはや、謎の尽きないおヒトです。 

 

 

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